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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

六

また、つい近年には。

赤色の彗星が現れたり、風もない真昼、黒旋風が突然ふいて、王城の屋根望楼を飛ばしたり、五原山の山つなみに、部落数十が、一夜に地底へ埋没してしまったり――凶兆ばかり年ごとに起った。

六

そんな凶兆のあるたびに、黄巾賊の「蒼天スデニ死ス――」の歌は、盲目的にうたわれて行き、賊党に加盟して、掠奪、横行、殺戮――の自由にできる「我党の太平を楽しめ」とする者が、ふえるばかりだった。

思想の悪化、組織の混乱、道徳の頽廃。――これをどうしようもない後漢の末期だった。

燎原の火とばかり、魔の手をひろげて行った黄巾賊の勢力は、今では青州、幽州、徐州、冀州、荊州、揚州、州、予州等の諸地方に及んでいた。

州の諸侯をはじめ、郡県市部の長や官吏は、逃げ散るもあり、降って賊となるもあり、屍を積んで、焚き殺された者も数知れなかった。

富豪は皆、財を捧げて、生命を乞い、寺院や民家は戸ごとに、大賢良師張角――と書いた例の黄符を門に貼って、絶対服従を誓い、まるで鬼神をまつるように、崇め恐れた。そうした現状にあった。

さて。……

長々と、そうした現状や、黄巾党の勃興などを、自慢そうに語りきたって、