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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
ようやく宥めて、
「劉兄。お腹も立ちましょうが、戦場も世の中の一部です。広い世の中としてみればこんなことはありがちでしょう。即刻、この地を引揚げましょう」
ついでに関羽は、玄徳の憂鬱もそういって慰めた。
玄徳はもとより、そう腹も立っていない。こらえるとか、堪忍とか、二人はいっているが、彼自身は、生来の性質が微温的にできているのか、実際、朱雋の命令にしてもそう無礼とも無理とも思えないし、怒るほどに、気色を害されてもいなかったのである。
兵には、一睡させて、せめて食糧もゆっくりとらせて、夜半から玄徳は、そこの陣地を引払った。
きのうは西に戦い。
きょうは東へ。
毎日、五百の手勢と、行軍をつづけていても、私兵のあじけなさを、しみじみ思わずにいられなかった。
部落を通れば、土民までが馬鹿にする。――その土民らを賊の虐圧と、悪政の下から救って、安心楽土の幸福な民としてやろうというこの軍の精神であるのに――そのみすぼらしい雑軍的な装備を見て、
「なんじゃ。官軍でもなし、黄巾賊でもないのが、ぞろぞろ通りよる」
などと、陽なたに手をかざし合って、嘲弄するような眼をあつめながら見物していた。