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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

将軍は、嘲笑って、

「ばかをいい給え。それは時代による。あの頃は、秦の世が乱れて項羽のようながさつ者の私議暴論が横行して、天下に定まれる君主もなかった時勢だろ、ゆえに高祖は、讐ある者でも、降参すれば、手なずけて用うことに腐心したのである。また、秦の乱世のそれと、今日の黄賊とは、その質がちがう。生きる利なく、窮地に墜ちたがゆえに、降を乞うてきた賊を、愍れみをかけて、救けなどしたら、それはかえって寇を長じさせ、世道人心に、悪業を奨励するようなものではないか。この際、断じて、賊の根を絶たねばいかん」

「いや、伺ってみると、たいへんごもっともです」

玄徳は、彼の説に伏した。

「では、攻めて城内の賊を、殲滅するとしてもです。こう四方、一門も遁れる隙間なく囲んで攻めては、城兵は、死の一途に結束し、恐ろしい最後の力を奮いだすにきまっています。味方の損害もおびただしいことになりましょう。一方の門だけは、逃げ口を与えておいて、三方からこれを攻めるべきではありますまいか」

「なるほど、その説はよろしい」

朱雋は、直ちに、命令を変更して、急激に攻めたてた。

東南の一門だけ開いて、三方から鼓をならし、火を放った。