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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

随所、原本にない辞句、会話なども、わたくしの点描である。

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いうまでもなく三国志は、中国の歴史に取材しているが、正史ではない。けれど史中の人物を巧妙自在に拉して活躍させ、後漢の第十二代霊帝の代(わが朝の成務天皇の御世、西暦百六十八年頃)から、武帝が呉を亡ぼす太康元年までのおよそ百十二年間の長期にわたる治乱が書いてある。構想の雄大と、舞台の地域の広さは、世界の古典小説中でも比類ないものといわれている。登場人物なども、審らかに数えたなら何千何万人にものぼるであろう。しかも、これに加うるに中国一流の華麗豪壮な調と、哀婉切々の情、悲歌慷慨の辞句と、誇張幽幻な趣と、拍案三嘆の熱とを以て縷述されてあるので、読む者をして百年の地上に明滅する種々雑多な人間の浮沈と文化の興亡とを、一巻に偲ばせて、転深思の感慨に耽らしめる魅力がある。

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見方によれば三国志は、一つの民俗小説ともいえる。三国志の中に見られる人間の愛欲、道徳、宗教、その生活、また、主題たる戦争行為だとか群雄割拠の状などは、さながら彩られた彼の民俗絵巻でもあり、その生々動流する相は、天地間を舞台として、壮大なる音楽に伴って演技された人類の大演劇とも観られるのである。