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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
すると、先に忠言して何進に一喝された典軍の校尉曹操が、ふたたび沈黙を破って、
「将軍将軍。今日ついに断を下して計をなさんとするならば、まず、天子の位を正してしかる後に賊を討つことをなし給え」と叫んだ。
何進も、今度は前のように、だまれとはいわなかった。大きくうなずいて、
「誰か我がために、新帝を正して、宮闕の謀賊どもを討ち尽さん者やある」
爛たる眼をして、衆席を見まわすと、時に、彼の声に応じて、
「司隷校尉袁紹ありっ!」と名乗って起った者がある。
人々の首は、一斉にそのほうへ振向いた。見ればその人は、貌相魁偉胸ひろく双肩威風をたたえ、武芸抜群の勇将とは見られた。
これなん、漢の司徒袁安が孫、袁逢が子、袁紹であった。袁紹字は本初といい、汝南汝陽(河南省・淮河上流の北岸)の名門で門下に多数の吏事武将を輩出し、彼も現在は漢室の司隷校尉の職にあった。
袁紹は、昂然とのべた。
「願わくば自分に精兵五千を授け給え。直ちに禁門に入って、新帝を擁立し奉り、多年禁廷に巣くう内官どもをことごとく誅滅して見せましょう」
何進はよろこんで、
「行けっ」と、号令した。
この一声に洛陽の王府は一転戦雲の天と修羅の地になったのである。