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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
果たせるかな、青鎖門まで来ると、
「兵馬は禁門に入ることならん。門外にて待ちませい」
と隔てられ、何進は、数名の従者だけつれて入った。それでも彼は傲然、胸をそらし、威風を示して歩いて行ったが、嘉徳門のあたりまでかかると、
「豚殺し待てっ」
と、物陰から呶鳴られて、あっとたじろぐ間に、前後左右、十常侍一味の軍士たちに取巻かれていた。
躍りでた張譲は、
「何進っ、汝は元来、洛陽の裏町に、豚を屠殺して、からくも生きていた貧賤ではなかったか。それを、今日の栄位まで昇ったのは、そもそも誰のおかげと思うか。われわれが陰に陽に、汝の妹を天子に薦め奉り、汝をも推挙したおかげであるぞ。――この恩知らずめ!」と、面罵した。
何進は、真ッ蒼になって、
「しまった!」
と口走ったが、時すでに遅しである。諸所の宮門はみな閉ざされ、逃げまわるにも刀斧鉄槍、身を囲んで、一尺の隙もなかった。
「――わッっ。だっ!」
何進はなにか絶叫した。空へでも飛び上がってしまう気であったか、躍り上がって、体を三度ほどぐるぐるまわした。張譲は、跳びかかって、
「下郎っ。思い知ったか」
と、真二つに斬りさげた。