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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
(仕損じては――)
となお、大事をとって、彼の隙をうかがっていると、董卓はひどく肥満しているので、少し長くその体を牀に正していると、すぐくたびれてしまうらしい。
ごろりと、背を向けて、牀の上へ横になった。
(今だ! 天の与え)
曹操は、心にさけびながら、七宝剣の柄に手をかけ、さっと抜くなり刃を背へまわして、牀の下へ近づきかけた。
すると、名刀の光鋩が、董卓の側なる壁の鏡に、陽炎の如くピカリと映った。
むくりと、起き上がって、
「曹操、今の光は何だ?」
と、鋭い眼をそそいだ。
曹操は、刃を納めるいとまもなく、ぎょッとしたが、さあらぬ顔して、
「はっ、近頃それがしが、稀代の名刀を手に入れましたので、お気に召したら、献上したいと思って、佩いて参りました。尊覧に入れる前に、そっと拭っておりましたので、その光鋩が室にみちたのでございましょう」
と騒ぐ色もなく、剣を差出した。
「ふウむ。……どれ見せい」
手に取って見ているところへ、呂布が戻ってきた。
董卓は、気に入ったらしく、
「なるほど、名剣だ。どうだこの刀は」
と、呂布へ見せた。
曹操は、すかさず、
「鞘はこれです。