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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

英雄もただ英雄たるばかりでは何もできない。覇業を成す者は、常に三つのものに恵まれているという。

天の時と、

地の利と、

人である。

まさに、曹操の檄は、時を得ていた。

日ならずして、彼の「忠」「義」の旗下には続々と英俊精猛が馳せ参じてきた。

「それがしは、衛国の生れ、楽進、字は文謙と申す者ですが、願わくば、逆賊董卓を、ともに討たんと存じ、麾下に馳せ参って候」

と、名乗ってくる者や、

「――自分らは沛国郡の人、夏侯惇、夏侯淵という兄弟の者ですが、手兵三千をつれてきました」

と、いう頼もしい者が現れてきたりした。

もっとも、その兄弟は、曹家がまだ※(「言+焦」、第3水準1-92-19)郡にいた頃、曹家に養われて、養子となっていた者であるから、真っ先に馳せつけて来るのは当然であったが、そのほか毎日、軍簿に到着をしるす者は、枚挙にいとまがないくらいであった。

山陽鉅鹿の人で李典、字は曼成という者だの――徐州の刺史陶謙だの――西涼の太守馬騰だの、北平太守の公孫だの――北海の太守孔融なんどという大物が、おのおの何千、何万騎という軍を引いて、呼応して来た。

彼の帷幕にはまた、曹仁、曹洪のふたりの兄弟も参じた。