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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
と、将兵に下知して、少しも怠るところがなかった。
諸侯の軍勢も、各※(二の字点、1-2-22)、地を選んで陣を劃したが、曹操は早速、袁紹に会って忠告した。
「何もお下知が出ないようですが、この機をはずさず、長安へ落ちて行った董卓を追撃すべきではないでしょうか。なんで、悠々閑々と、無人の焼け址に、腰をすえておられるか」
「いや、月余の連戦で、兵馬はつかれている。すでに洛陽を占領したのだから、ここで二、三日の休養はしてもよかろう」
「焦土を奪って、なんの誇るところがあろう。かかる間にも、兵は驕り、気は堕してくる。弛まぬうちに、疾く追撃にかかり給え」
「君は予を奉じた者ではないか。追討ちにかかる時には、軍令をもって沙汰する。いたずらに私言をもてあそんでは困る」
袁紹は、横を向いてしまった。
「ちぇッ……」
持ち前の気性が、むらむらと曹操の胸へこみあげてきた。一喝、彼の横顔へ、
「豎子、共に語るに足らん!」と罵ると、たちまち、わが陣地へ帰って来て、
「進軍っ。――董卓を追いまくるのだっ」と、叫んだ。
彼の手勢としては、夏侯淵、曹仁、曹洪などの幕下をはじめとして一万余騎がある。