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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
やがて、夜も更けて。
孫堅は、自分の陣へこっそり帰って寝たが、程普は味方の者へ、
「ご主君には、急病を発しられたゆえ、明日、陣を払って、急に本国へお帰りになることになった」
と、虚病を触れて、その夜からにわかに行旅の支度にかからせた。
ところが。
その混雑中に、孫堅についていた郎党のひとりが、袁紹の陣へ行って、内通した。一部始終を袁紹に告げて、わずかな褒美をもらって姿をくらましていた。
だから袁紹は、あらかじめ玉璽の秘密を知っていた。
夜が明けると、孫堅は、何喰わぬ顔して、暇乞いにやって来た。孫堅はわざと、憔悴した態をよそおって、
「どうも近頃、健康がすぐれないので、陣中の務めも懶くてならんのです。はなはだ急ですが、しばらく本国へ帰って静養したいと思います。――当分は風月を友にして」
云いかけると、袁紹は、
「あはははは」と、横を向いて笑った。
孫堅はむっとして、
「何で総帥には、それがしが真面目に別辞を述べているのに、無礼な笑い方をなさるのか」
と、剣に手をかけて詰問った。
袁紹は露骨に、
「君は、虚病もうまいが、怒る真似もうまい。いや裏表の多い人物だ。