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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
と、宙を指さして叫んだ。
その声を聞くと、全軍、わあっと雷同して、献帝の答えいかにと要求を迫る色を示した。
献帝は、ご自身の横を見た。
そこには王允が侍している。
王允は、蒼ざめた唇をかんで、眼下の大軍を睨んでいたが、献帝の眸が自分のもとにそそがれたと知ると、やにわに起って、
「一身何かあらん」と、門楼のうえから身をなげうって飛び降りた。
犇々と林立していた戟や槍の上へ、彼の体は落ちて来た。
なんで堪ろう。
「おうっ、こいつだ」
「巨魁っ」
「主の讐め」
寄りたかった剣槍は、たちまち、王允の体をずたずたにしてしまった。
兇暴な彼らは、要求が容れられても、まだ退かなかった。この際、天子を弑し、一挙に大事を謀らんなど、区々な暴議をそこで計っている様子だった。
「だが、そんな無茶をしても、恐らく民衆が服従しないだろう。おもむろに、天子の勢力を削いで、それからの仕事をしたほうが賢明だろう」
樊稠や、張済の意見に、軍はようやく鎮まった気ぶりだが、なお退かないので帝は、
「はや、軍馬を返せ」と、ふたたび諭された。
すると壁下の暴将兵は、
「いや、王室へ功をいたしたわれわれ臣下にまだ勲爵の沙汰がないので、待っているわけです」