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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

――箭は彼の首すじを射ぬいたので、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の手を待つまでもなく、薛蘭も馬から転げ落ちた。

※(「亠/兌」、第3水準1-14-50)州の城は、そうして、曹操の手に還った。が、曹操は、

「この勢いで濮陽も収めろ」と、呂布の根城へ逼った。

呂布の謀臣陳宮は、

「出ては不利です」と、籠城をすすめたが、

「ばかをいえ」と、呂布はきかない。

例の気性である。それに、曹操の手心もわかっている。一気に撃滅して、※(「亠/兌」、第3水準1-14-50)州もすぐ取返さねば百年の計を誤るものだと、全城の兵をくり出して、物々しく対陣した。

呂布の勇猛は、相変らずすこしも老いていない。むしろ年と共にその騎乗奮戦の技は神に入って、文字どおり万夫不当だ。まったく戦争するために、神が造った不死身の人間のようであった。

「おうっ、自分にふさわしい好敵手を見つけたぞ」

許は、見事なる敵将の呂布を見かけると、自分までがはなはだしく英雄的な精神を昂められた。

「いで、あの敵を!」と、目がけてかかった。

だが、呂布は、彼如きを近づけもしないのである。