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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

、第3水準1-86-50)夫人を訪問に出かけた。

「まあ、いつもお珍しい贈り物をいただいて」と、郭※(「さんずい+巳」、第3水準1-86-50)夫人は、まず珍貴な音物の礼をいって、

「よいお召服ですこと」と、客の着物や、化粧ぶりを褒めた。

「いいえ、わたくしの主人なんかちっとも衣裳などには構ってくれませんの。それよりも、令夫人のお髪は、お手入れがよいとみえて、ほんとにお綺麗ですこと。いつお目にかかっても、心からお美しいと思うお方は、世辞ではございませんが、そうたんとはございません。……それなのに、男というものは」

「オヤ、あなたは、わたくしの顔を見ながらなんで涙ぐむのですか」

「いいえ、べつに……」

「でも、おかしいではございませんか、なにか理があるのでしょう。隠さないで、はなして下さい。私にいえないことですか」

「……つい、涙などこぼして、夫人様おゆるし下さいませ」

「どうしたんです、一体」

「では、おはなし申しますが、ほんとに、誰にも秘密にして下さらないと」

「ええ、誰にも洩らしはしません」

「実はあの……夫人様のお顔を見ているうちに、なにもご存じないのかと、お可哀そうになって来て」