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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

やがて、呂布が席についた。

「よう来られた」

この挨拶はいいが、その次に、「この度はご辺の危難をすくうためこの方もずいぶん苦労した。この恩を忘れないようにして貰いたいな」と、いった。

張飛、関羽の二つの顔がむらむらと燃えている。――が、玄徳は頭を低く下げて、

「ご高恩のほど、なにとて忘れましょう。かたじけのうぞんじます」

そこへ、呂布の家臣が、

「淮南の大将紀霊どのが見えました」

「オ。はや見えたか。これにご案内しろ」

呂布は、軽く命じて、けろりと澄ましているが、玄徳は驚いた。

紀霊は、敵の大将だ。しかも交戦中である。あわてて席を立ち、

「お客のようですから、私は失礼しておりましょう」

と、避けてそこをはずそうとすると、呂布は押止めて、

「いや、今日はわざと、足下と紀霊とを、同席でお呼びしてあるのだ。まあ、相談もあるから、それへかけておいでなさい」

そのうちに、もう紀霊が、つい外まで案内されて来た様子。

呂布の臣となにか話しながらやってくるらしく、豪快な笑い声が近づいてくる。

「こちらです」

案内の武士が、営門の帷をあげて、閣の庭を指すと、紀霊は何気なく入りかけたが、