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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

ご安堵あるがよい」

ここ数日、秋の空はよく澄んで、日中は暑いくらいだった。

しかし、南下するに従って、行軍は道に悩んだ。

――というのは今年、徐州以南の淮水の地方は、かなり大雨がつづいたらしい。

ために、諸所の河川は氾濫し、崖はくずれ、野には無数の大小の湖ができてしまい、馬も人も、輜重の車も、泥濘に行きなやむこと一通りでなかった。

「やあ、難行軍だったでしょう」

呂布は、徐州の堺まで迎えに出ていた。

曹操はあいそよく、「ご健勝でよろこばしい」と、会釈の礼を交わし、兵馬は府外に駐屯し、その後、駅館の歓迎宴では、劉玄徳も同席して、袁術討伐の気勢をあげた。

如才ない曹操は、

「このたびの南征には、大いに君の力を借りねばならんが、ついては、自分から朝廷に奏して、君を左将軍に封じておいた。――印綬は、いずれ戦後、改めて下賜されよう」と、告げた。

呂布はもとよりそういう好意に対しては過大によろこぶ漢である。

「犬馬の労も惜しまず」と、ばかり意気ごむ。

ここに、曹、玄、呂の三軍は一体となって、続々、南進をつづけ、陣容は完く成った。

すなわち曹操を中軍として、玄徳は右をそなえ、呂布は左にそなえた。