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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁
「あな惜しや」
二度、三度まで、矢をつづけられたが、あたらなかった。
鹿は、堤から下へ逃げて行ったが、勢子の声におどろいて、また跳ね上がってきた。
「曹操、曹操っ。それ射止めてよ」
帝が急きこんで叫ばれると、曹操はつと馳け寄って、帝の御手から弓矢を取り、それをつがえながら爪黄馬を走らすかと見る間に、ぶんと弦鳴りさせて射放った。
金※箭は飛んで鹿の背に深く刺さり、鹿は箭を負ったまま百間ばかり奔って倒れた。
公卿百官を始め、下、将校歩卒にいたるまで、金※箭の立った獲物を見て、いずれも、帝の射給うたものとばかり思いこんで、異口同音に万歳を唱えた。
万歳万歳の声は、山野を圧して、しばし鳴りも止まないでいると、そこへ曹操が馬を飛ばしてきて、
「射たるは、我なり!」
と、帝の御前に立ちふさがった。
そして彫弓金※箭を諸手にさしあげ、群臣の万歳を、あたかも自身に受けるような態度を取った。
はっと、諸人みな色を失い興をさましてしまったが、特に、玄徳のうしろにいた関羽の如きは、眼を張り、眉をあげて、曹操のほうをくわっとにらめつけていた。
五
その時、関羽は、
「人もなげな曹操の振舞い。