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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(三)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 頁

青空文庫

夏侯惇、許、典韋などを先にして、山東の猛将十数名であった。

御車を見ると、

「礼!」

と、戒め合って、さすがに規律正しく一斉にザザザッと、鞍から飛びおりた。

そして、列を正しながら、約十歩ほど出て、夏侯惇が一同を代表していった。

「ご覧の如く、臣ら、長途を急ぎ参って、甲冑を帯し、剣を横たえておりますれば、謹んで、闕下にご謁を賜う身仕度もいたしかねます。――願わくは、軍旗をもって、直奏おゆるしあらんことを」

さすがに聞えた山東の勇将、言語明晰、態度も立派だった。

帝は、一時のお歓びばかりでなく、いとど頼母しく思し召されて、

「鞍馬長途の馳駆、なんで服装を問おう。今日、朕が危急に馳せ参った労と忠節に対しては、他日、必ず重き恩賞をもって酬ゆるであろうぞ」

と、宣うた。

夏侯惇以下、謹んで再拝した。

その後で夏侯惇はふたたび、

「主人曹操は、大軍を調うため、数日の暇を要しますが、臣ら、先鋒として、これに参りましたからには、何とぞ、御心安らかに、何事もおまかせおき給わりますように」と、奏した。

帝は、御眉を開いてうなずかれた。

御車をかこむ武臣も宮人たちも、異口同音、万歳万歳を歓呼した。