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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
天子の宗族などと僭称しておるのみか、ここの百姓どもから、いろいろと怨嗟の声を耳にする。すぐ帝へ奏聞して、ご処罰を仰ぐから、汝は、県吏を代表して、訴状をしたためろ」といった。
玄徳の徳に服してこそはいるが、玄徳に何の落度も考えられない県の吏は、恐れわななくのみで、答えも知らなかった。
すると、督郵も重ねて、
「訴状を書かんか、書かねば汝も同罪と見なすぞ」と、脅した。
やむなく、県の吏は、ありもしない罪状を、督郵のいうままに並べて、訴状に書いた。督郵は、それを都へ急送し、帝の沙汰を待って、玄徳を厳罰に処せんと称した。
この四、五日。
「どうも面白くねえ」
張飛は、酒ばかりのんでいた。
そう飲んでばかりいるのを、玄徳や関羽に知れると、意見されるし、また、この数日、玄徳の顔いろも、関羽の顔いろも、はなはだ憂鬱なので、彼はひとり、
「……どうも面白くねえ」をくり返して、どこで飲むのか、姿を見せず飲んでいた。
その張飛が、熟柿のような顔をして、驢に乗って歩いていた。町中の者は、県の吏人なので、驢と行きちがうと、丁寧に礼をしたが、張飛は、驢の上から落ちそうな恰好して、居眠っていた。