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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁

青空文庫

「実は……こうです。夜来、なんとなく寝ぐるしいうちに、太師が病にかかられた夢を見たものですから、心配のあまり、夜が明けるのを待ちかねて、相府へ詰めておりました。――がしかし、お変りのない容子を見て、安心いたしました」

「何をいっておるのか」

董卓は、彼のしどろもどろな口吻を怪しんで、舌打ちした。

「起きぬけから忌わしいことを聞かせおる。そんな凶夢を、わざわざ耳に入れにくるやつがあるか」

「恐れ入りました。常々健康をお案じしておるものですから」

「嘘をいえ」と、叱って、「そちの容子は、なんとなくいぶかしいぞ。その眼の暗さはなんだ。その挙動のそわそわしている様はなんだ。去れっ」

「はっ」

呂布は、うつ向いたまま、一礼して悄然と、影を消した。

その日、早めに邸へ帰って来ると、彼の妻は、良人の顔色の冴えないのを憂いて訊いた。

「なにか太師のごきげんを損ねたのではありませんか」

すると呂布は、大声で、

「うるさいっ。董太師がなんだ。この呂布を圧えることは、太師でもできるものか。貴さまは、できると思うのか」

と、妻に当って、どなりちらした。

三

呂布の容子は、目立って変ってきた。