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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(一)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 頁
ところが、刻々形勢は悪来のほうが悪くなった。悪来が疲れだしたなと思われると、俄然、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の勢いは増してきた。
「これは!」
と、悪来も本気になって、生涯初めての脂汗をしぼって闘った。しかし許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)は毫も乱れないのである。いよいよ、勇猛な喚きを発して、一電、また一閃、その剣光は、幾たびか悪来の鬢髪をかすめた。
こうして、両雄の闘いは、辰の刻から午の刻にまで及んだが、まだ勝負がつかなかったのみか、馬のほうが疲れてしまったので、日没とともに、勝負なしで引分けとなった。
曹操は、後から来て、この勝負を高地から眺めていたが、そこへ悪来がもどってくると、
「明日は偽って、負けた振りして逃げることにしろ」と、云いふくめた。
翌日の闘いでは、曹操にいわれた通り、悪来は三十合も戟を合わせると、にわかに、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)にうしろを見せて逃げ出した。
曹操も、わざと、軍を五里ほど退いた。そしていよいよ相手に気を驕らせておいて、また次の日、悪来を陣頭へ押し出した。