Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Read 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 350,912 characters · 702 screens
二
二
主従三人は、むしろの上に坐って、竹の皮をひらいた。
玄米のにぎり飯。
梅漬と味噌が添えてある。
「美味い」
兵庫は、青空を喰うように、野天の弁当を楽しんだ。
「丑之助」
と、助九郎がいう。
「へい」
「兵庫様に、白湯を一椀上げたいな」
「じゃ、貰って来て上げようか。あそこの法師衆がいる溜りへ行って」
「ム。もらって来い……だが、宝蔵院衆へ、柳生家の者が来ているということは、黙っておれよ」
兵庫も、側から注意した。
「うるさいからなあ。挨拶にでもやって来られると」
「はい」
丑之助は、むしろの端から起ちかけた。――すると。
先刻から、彼方で、
「オヤ?」
と、野の芝地を見まわして、
「莚がない。莚がない」
と、探している二人の旅の者があった。兵庫たちのいる所から、十間ほど離れた場所で、そこらには牢人者だの、女だの、町の者などが、まばらにいたが、旅の者が失くした莚は、誰も敷いていなかった。
「伊織。もういい」
探しあぐねて、一人がいった。
がっちりと、丸こい顔と固い筋肉をして、四尺二寸の樫の杖を提げている男だった。
伊織の連れとあれば、これはいうまでもなく、夢想権之助。