Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Read 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 350,912 characters · 702 screens

Aozora Bunko

君のため

世のため

なにか惜しからむ

すててかひある

いのちなりせば

「……でしょう。先生」

「意味は」

「わかってます」

「どう? わかってるか」

「いわなくたって、このお歌がわからなかったら、武士でも日本人でもないでしょ」

「ウム。……だが伊織。それならお前はなぜ、白骨を持ったその手を、さも汚いように、先刻から忌っているのか」

「だって白骨は、先生だっていい気持じゃないでしょ」

「この古戦場の白骨は皆、宗良親王のお歌に泣いて、親王のお歌どおりに奮戦して死んだ人々だった。――そうした武士たちの――土中の白骨が、眼には見えぬが、今もなお、礎となっていればこそ、この国はこんなにも平和に、何千年の豊秋が護られているのではないか」

「ア、そうですね」

「たまたまの戦乱があっても、それはおとといの暴風雨のようなもので、国土そのものにはびくとも変化がない。それには、今生きている人々の力も大いにあるが、土中の白骨たちの恩も忘れては済むまいぞ」

四

武蔵の一語一語に、伊織は、何度もこっくりした。

「わかりました。じゃあ、今埋けた白骨に、お花を供げて、お辞儀して来ましょうか」

武蔵は、笑って、