Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Read 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 350,912 characters · 702 screens
細川家家中佐々木巌流
と、書いた。
「小僧」
「…………」
「恐がらないでもよい。これを持って帰れ。そして中には大事な用向きが書いてあるから、きっと、師の武蔵へ手渡すのだぞ」
「……?」
伊織は、持って行ったものか、きっぱり断ったほうがいいものか、考えているふうだったが、
「……うん」
頷いて、小次郎の手から、それを引ッ奪くった。
そして、屹と、立ち上がって、
「こん中に、何と書いてあるんだい、おじさん」
「今、おばばへ話したような意味だ」
「見てもいいかい」
「封を切ってはならん」
「でも、もしか先生に無礼なことでも書いてある手紙なら、おいらは、持って行かないぜ」
「安心せい。無礼なことばなどは書いてない。かつての約束は忘れておるまいなということと、たとえ豊前に下るとも、必ず再会の日を期しておるということが書いてあるだけだ」
「再会というのは、おじさんと先生と、会うことかい」
「そうだ、生死の境に」
と、うなずく小次郎の頬に、薄っすらと血が冴えた。
六
「きっと届けるよ」
伊織は、手紙を、懐中へしまいこんだ。
そしてすばやく、
「あばよ!」
おばばと小次郎の間から六、七間も跳び離れて、