Clásicos japoneses con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lee チベット旅行記 (チベットりょこうき) de 河口 慧海 (かわぐちえかい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 531.520 caracteres · 1042 pantallas
谷間にはやはり樹もあれば美しい草花が咲いて居ります。その中には薬草も沢山あり、また麝鹿も沢山棲んで居ります。その夜は雪山の間の巌の中に泊り、その翌十九日もまた同じような道を西北に進みターシンラという大きな雪山の坂に懸りましたが何分にも寒くて堪えられない。
寒いばかりではない、もう苦しくて荷を背負って居る荷持に縋らなくてはならぬけれども景色もまた佳いです。よく見る勇気もなかったが起伏蜿、突兀として四端に聳えて居る群雪峰は互いに相映じて宇宙の真美を現わし、その東南に泰然として安坐せるごとく聳えて居る高雪峰はこれぞドーラギリーであります。あたかも毘廬沙那大仏の虚空に蟠って居るがごとき雪峰にてその四方に聳えて居る群峰は、菩薩のごとき姿を現わして居ります。苦しいながらも思わず荘厳雄大なる絶景に見惚れて居りますと「久しくここに止まって居ると死んでしまいますから早く降りましょう」と言って手を引いてくれますので、この日は四里ばかり山を降ってやはり巌の間に泊りましたがなかなか寒いです。その時苦しい中にも一首浮びました。
ヒマラヤの雪の岩間に宿りてはやまとに上る月をしぞ思ふ