Clásicos japoneses con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lee チベット旅行記 (チベットりょこうき) de 河口 慧海 (かわぐちえかい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 531.520 caracteres · 1042 pantallas
遊牧民の跡だもなし
水なき広原に出ず
遊牧民の跡だもなし その辺はどうも遊牧民の来ない所と見えてヤクの糞がない。大抵野馬の糞ばかり。そこでその野馬の糞を沢山集めて火を拵えてその夜はそこで過しました。その晩は非常に寒いのでやはり寝ることが出来ずそのまま夜を明した位ですからまた一首の腰折が出来ました。
虫の音も人声もなき高原に
おとなふ月の友は唯われ
翌日また進行して四、五里西北に進む間はやはり池もあったですから、その池の水を汲んで例のごとく昼飯を済まし、だんだん西北へ指して進んで行くと西北に当って大きな雪山が見えます。どうもその雪山を登って行くには非常に困難ですから、東の方に行かにゃあならぬという考えも起ったです。仕方がないから雪の山と山との間でも通って向うに踰えようか。あるいは東の方の雪のない山を踰えて行こうか知らんと暫く考えに沈むと何とも判定のしようがないから例のごとく断事観三昧に入って決定して行く。それが誤らずにうまく行ったです。だんだん進んで行くと今度は池も何もちっともなくなった。
水なき広原に出ず それから水は少しもなくなったです。どうか水のある辺まで行って今夜茶を沸して飲んで寝たいものだと思って四時頃になってもなお歩みを続けて、山また山を踰えて行きましたがちっとも水がない。