Clásicos japoneses con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lee チベット旅行記 (チベットりょこうき) de 河口 慧海 (かわぐちえかい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 531.520 caracteres · 1042 pantallas
その水はいわゆる毒水
南方雪山の頂には暁の星が輝々煌々と輝いて、その光が湖面に反射して居る。これら微妙の光景に旅の苦しみも打ち忘れてぼんやりと見惚れて居ると足元の湖辺の砂原に赤あるいは黄、白の水鳥が悠々とあちこちに声を放って行き通い、湖上には鴛鴦が浮んで居る。また鶴の群も素晴らしい声を放っておもむろに歩んで居る。その一際洗ったような美しい景色は昨日の凄まじい景に比してまた一段の興味を感ぜられたです。こういうところを朝未明に旅をするのは実に旅行中の最大愉快である。湖辺に沿うて行くこと五里ばかりにして朝五時頃に山の間の小さな流れのところに着きました。そこで茶を沸かして、その流れの水で麦焦しを喰いますので、湖には水は満々と満ちて居りますけれど、
その水はいわゆる毒水 なんです。これにも面白い話がある。その毒水になったという次第は、かの有名なイギリス人のサラット・チャンドラ・ダース師(実はインド人)が昔インドから此湖に来て――チベット人は僅か二十年前の事を昔と言う――何か咒咀をこの湖水の中へ吹っ込んだ。そうするとこの湖の水が真っ赤になってまるで血のような有様を示して居った。ところがあるラマが来てその赤味だけを無くしてくれたけれど、その毒が残って居るから今は飲めないと言う。