轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

邂逅

一

松明の火が、ばらばらとこぼれるように、門の外へ出て来るのが見えた。

邂逅

一

万三郎がまだ虎造とたなごを釣っていたとき、それは夜の八時ごろのことであったが、二人から三町とはなれない処で、正に奇遇ともいうべき出来事が起こった。

斧田又平は、万三郎が町へでかけたあと、身支度をして街道を見張りに出た。

寄宿している伝右衛門の家の若い妻が、今夜は雪になりますよ、と云ったので、厚く着重ねた上から蓑笠を衣ていた。場所は田川(万三郎たちが釣りをしていた川)の橋の東で、道の南側に小さく塚のような丘がある、そのまわりは雑木林と笹藪であるが、その丘の蔭にはいると風をよけることができるので、それまでにもときどきそこを利用していた。

どんなに用心しても、同じ場所ばかりだと気づかれる惧れがある。誰に見られるというのでもなく、人間がいつもいる処は、自然と感じでわかるようであった。

それで、同じ処に続けて隠れるようなことはしないのだが、その夜はその丘の蔭へいって、笹藪の中に身をひそめた。

すると、彼がおちつく暇もなく、すぐ右側の雑木林のほうから、低く呼びかける声がした。

「そこにいるのは誰だ」