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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

五

「田舎そだちで世間のことに昏いから、うまく云いくるめられたのであろうが、それにしてもあまりに愚かすぎる」

と休之助は続けた。

「われわれは公儀の役目で、観音谷の貯蔵庫を調べに来た。鉄砲弾薬を密蔵することは、それだけでも許し難い大罪だし、かれらはそれ以上の謀反を企んでいる、これを探索し摘発するのは、単に役目だけではなく天下の安穏を守るためだ」

「――――」

「そのほうに罪はないかもしれない、かれらに騙されたのではあろうが、われらは役目のためには生かしてはおけない、たとえ生かしておいたにしても、事が露顕すれば、大罪人の同類として仕置をされる」

「待って下せえ、どうか」

曲者はわなわなと震えだした。

「どうか待って下せえ、お話を聞いてよくわかりました、騙されていたです、おら、まったく騙されていたです、おらもみんなもほんとに騙されていたですから」

「そんなことは聞くまでもない」

「いんや聞いて下せえ、おらたちは知らなかったです、うまいこと騙されて、いまに侍にしてやるなんぞと云われたもんで、ついうっかり手伝っていただけですから」

「しかし、われわれが此処にいることを、かれらにもう知らせたのであろう」