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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

再会

一

「あたし永代橋のところであげて頂きますわ」

舟が大川へはいるとすぐに、おちづが云った。しかし休之助は承知しなかった。

「いや、橋場までいっしょにおいで、明日家まで送っていってあげるよ」

再会

一

休之助たち六人が、和泉屋の寮へ帰ったとき、そこに中谷兵馬ら三人がいるので吃驚した。

かれらは十時ごろ、休之助たちが升屋へでかけるのと殆んど入れ違いに帰ったのだそうで、すぐあとから助勢にゆこうというのを徹之助が叱りつけるように止め、風呂へ入れて、酒や食事をとりながら待たせた、ということであった。

中谷兵馬と沢野雄之助、それに半次の三人で、林市郎兵衛は斬死にをし、三人が遺骨を持っていた。

「それは無残だな」

万三郎が低い声で云った。

――あの娘はなんと聞くだろう。

すぐにそう思ったのである。小田原河岸の紀伊家下屋敷にいるお八重は、市郎兵衛とたしか婚約があった筈である。――それが縁で八重は徹之助の(捕われている)妻子との連絡役も勤めることになったし、お八重の生家のものであるこの寮を、かれらが借りることにもなったのであった。

――みんな許婚の市郎兵衛のためであったのに、その許婚が死んだと聞いたら、彼女の気持はどんなだろうか。