轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

七

「それだけか、――」

徹之助が低い声で云った。

「かよの申したのはそれだけか」

「はい、それから、――」

とつなは口ごもったが、すぐ思いきったように、かよが万三郎を取返すために提案した二つの条件を語った。

――渡辺蔵人と交換するか。

――かよをかれらに返すか。

休之助はしまいまで聞かずに冷笑した。

「ばかげたぺてんだ、そんな子供騙しを信じたのか」

「あなたにはおわかりにならないのですわ」

「あの女は逃げたいだけだ、自分がゆけば万三郎を返させる、――そんな洒落にもならないことを」

「あなたは御存じないんです」

つなは激しい調子で云った。その調子の激しさで、本来なら口にしたくないことが、すらすらと出た。

「かよさんは万三郎さまを愛しているんです、自分でもそう云いましたし、わたくしにもそれがよくわかりました、あの人は本当に万三郎さまの命の危ういことを知って自分の身に代えてもお助けしようとしていましたわ」

「――わけがわからない」

休之助は首を振り、じっと、なにかを試すようにつなを見た。

「貴女はこの朱雀調べの重大さを知っている筈だ、甲野の父上やいとは焼死しているし、花田の嫂上や松之助はまだ檻禁されたままだ、われわれはできるだけ犠牲を少なくしたいが、犠牲を少なくするために、第一義を忘れるようであってはならない、それは貴女も」