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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

六

※(始め二重括弧、1-2-54)――砲の鋳造はさきの火炉にては不可なり(十語不明)舶送の手順よし、おいおい航路のこと万端マカオ駐所にて(五語不明)武器庫は多く散在せしめ、厳重に秘匿のこと肝要とす。アメリカ合衆国独立し、フランス国に革命起こる。ロシア国とスウェーデン国との合議成りて、欧州の情勢平穏となる(二十一語不明)四国島のこと諒承、総督府はその地のことに暫定すべし、地理測量のため人員派遣す、十二月初旬、紀伊のくに田辺に着く予定なり(十語不明)将軍を廃し侯の王位につくこと(十五語不明)侯その本城を京に置き――※(終わり二重括弧、1-2-55)

そこで文章は終っていた。

六

「これは手紙ですか」

「おそらくそうだろう」

徹之助が云った。

「何枚かの中の一枚と思われる、前後がないとはっきりしないが、そこにある断片的な文句を綴り合せてみるとそれだけでも容易ならぬ意味があるとは思わないか」

「――砲の鋳造はさきの火炉にては不可、休さんはここに眼をつけたんですね」

万三郎は頷いて云った。

「この偽造の二朱銀を鋳る特殊な技術、というやつが、現在の座方にわからない方法だとすると、それが外国から舶来されたと考えることができる、そうしてここに、――さきの火炉とある、つまり向うから送って来たものと思っていいでしょう、砲というのは文章の