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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
飛報
一
彼はそう決心したのであった。
うす汚ない拾い屋と、華奢な姿の町娘と、それを護るような三人の侍と。この奇妙な五人伴れは、伊達家の中屋敷をまわって、御成り道のほうへと歩いていった。
だが五人は気がつかない。
かれら五人はなにも気がつかないが、かれらのあとを跟けて来る者があった。それは金杉の半次とちい公である、二人はずっとまえから――万三郎が権あにいたちと喧嘩をしているときから、彼が万三郎だということを認め、それから極めて用心ぶかく、ずっとあとを跟けて来たのであった。
「いいか、どこへ伴れ込むか見届けたら、おれはお屋敷へ知らせにゆくからな」
と半次はおちづに囁いた。
「おれが戻って来るまで、おめえそこで見張っているんだぞ、わかったなちい公」
おちづはしんけんな眼つきで頷いた。
飛報
一
深川はまぐり町の、井伊家の下屋敷では、情勢がやや動きだしていた。
そこには休之助が来ていた。
休之助はいかにも万三郎によく似ている。年は二つ上の二十七歳になるが、躯つきも、顔だちも、ことに眉から額のあたりがじつによく似ていた。
彼はいま疲れきったようにみえる。
彼はこの大きな事件の摘発者であった。