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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

「黙れ、みれんがましいことを申すな」

休之助は平手打ちをくれるように、冷酷な調子で云った。

「たとえ知らなかったにもせよ、こんな悪事に加担すれば罪を逃れるわけにはいかん、ましてわれわれの役目はぬきさしならぬ大切なものだ、きさまなどを生かしておいて、万一にもかれらに内通されるようなことがあったら」

「そんなことはしねえです」

伝次というその若者は、喉を搾るような声で叫んだ。

「もう首を捻じ切られたってそんなことはしねえです、ほかの二十六人だって、ほんとうのことがわかれば使われてなんぞいやしません、みんな親も兄弟もあるんですから、謀反人と同罪なら親兄弟も縛られるくらい、みんなわかっているんであんすから」

「ではどうしろというんだ」

休之助は苛立たしげに云った。

「おまえの泣き言に免じて、おまえをこのまま放せというのか」

「そうじゃねえです、おらも助かりてえが、ほかの二十六人も助けてやりてえ、あの仲間にもほんとの事を話して、助かるようにしてやりてえです」

「どうすればそれができる」

「観音谷へいかして下されば、仲間に会ってよく話してやります」

「内通することもできるぞ」