轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

したがって、今夜、秀が出て来るかどうかをみなければ、大丈夫うまくいったとはいえないのであった。

「これを見て下さい」

万三郎は書きあげた見取図をそこへひろげた。

「この間道をこう入ってゆくのですが、これが柵で、此処に木戸があり番士が立っています、これが武器庫、三棟ともずいぶん大きなもので、厚そうな荒壁です」

彼は調べただけのことを説明したうえ、四月には江戸から兵が来て駐在する、ということも話した。

「それも少ない数じゃない、まず二百人とか云ってました」

「どういう人間が云っていた」

「荷駄といっしょに来た男です」

万三郎は用心しながら云った。紀伊家の相当な人物らしいなどと、ちょっとでも口を辷らせたら、兄は「おれがゆく」と云いだすに定っているからである。

「まあ下っ端の人間なんでしょう」

と彼は軽くごまかした。

「しかし駐在兵の来ることは事実らしいですから、どうしたって焼打ちはそのまえに決行しなければなりませんね」

「もちろんだ、それもできるだけ早いほうがいい」

と云って休之助は弟を見た。

「あの女には会わなかったか」

七

「――あの女ですって」

万三郎はそう反問しながら、(ふしぎなことに)われにもなく顔の熱くなるのを感じた。