轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页

青空文庫

「こうすればいいでしょう」

かよはそう云いざま、持ち直した懐剣を、さっと自分の胸に突き刺した。

万三郎はあっと叫び、かよにとびかかってその手を掴んだ。

「放して、――」

かよは身を跼めようとした。

すさまじいほどの力であった。万三郎は彼女を押えつけ、その腕を捻じあげた。かよは苦痛の呻きをもらした。

「ばかなことを、ばかな」

彼はしっかり押えつけたまま、懐剣の突立ったところを探ってみた。着重ねた着物のためにそう深くは刺さっていないようだった。

「死なせて下さい、お願いよ」

かよは泣きながら云った。

「万三郎さま、どうかあたしを死なせて」

「動いちゃいけない」

万三郎は懐剣を抜くと、いきなりかよの衿をひろげ、乱暴にふところの中へ手を入れた。手は肌着の上から、弾力のある温たかい胸乳の下へすべりこんだ。するとその指先が、ねっとりと濡れている傷口に触れた。

かよは気絶した。

四

万三郎たちが帰ったのは十時過ぎで、小屋ではまだみんな起きていたが、入って来た万三郎たちの姿を見ると、

「おお、――」

とまず休之助が叫んだ。

「またか、またか三郎」

斧田も眼をみはり、つなはさっと顔色を変えた。