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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
が点々と眺められる。
またこの地方には川や沼が多く、枯れた芦荻や裸になった苅田には、鴨、雁、鷺などが群をなして、やかましく飛び立ったり、舞いおりたりしていた。
境を出て二里ばかり来たときである。少しまえから吹きだした風で、乾いている道にはしきりに埃が立っていたが、その土埃といっしょに、向うから十人ばかりの一団が近づいて来た。
――なんだろう。
ほぼ十人ぐらいが一団となっていた。隊を組んでいるように見えるので、本能的に警戒する気持になり、道の岐れているところで、かれらをやり過そうとした。
一団の人たちは、巻きあがる土埃のために、見えたり隠れたりしながら、近よって来た。
かれらの中につく棒やさす叉や、六尺棒を持ったのがいた。明らかに捕方の役人たちらしい。万三郎は反射的に笠で顔を隠し、いま自分の立っている枝道へそのままそれてゆこうとした。が、とつぜんぎょっとしたように振返った。それは、その一団の中に、縛られている一人の侍がいるのを、認めたと思ったからであった。
眼の誤りかもしれない。ごくさりげなく、すばやく振返ってみたが、殆んど同時に叫びそうになった。