轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
「そうだ、半次の云うことは嘘だよ」
「あっ――」
と半次が振返った。彼は近づいて来る万三郎に向って喧嘩腰でくってかかった。
「なにが嘘ですか、おらあいっしょにゆくんですぜ、中谷さんに訊いてごらんなさい。ちゃんと約束がしてあるんだから」
「まあいい、そう怒るな」万三郎はにこにこしながら、
「おまえたち二人にはずいぶん厄介をかけた、この私までが二度も危ないところを助けられている。もうたくさんだ」
「おいら自分の好きでやってるんですぜ、そんな水臭いことを云わねえでおくんなさい」
「わかってるよ、わかってるが物には切目ということがある。私たちの仕事もどうやら最後のひと押しというところへ来たし、もうおまえたちの力を借りなくとも済む、おまえとちい坊のことは花田の兄が引受けるから、こんどは江戸で待っているんだ」
「それは、――それは、中谷さんも承知したんですか」
「もちろんさ」
万三郎は半次の肩を叩いた。
「なあ半次、私はいま向うで、ちい坊の云うことを聞いていた」
あらっと云って、おちづはぱっと、両手で顔を隠した。
「おまえはむやみに怒っていたが、私はちい坊の云うことが本当だと思う。