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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
五
「大目付から、――」
「われわれが立って来たあとで、なにかあったんじゃないでしょうか、そうでないにしても老中が積極的に出はじめたことは慥かなようですよ」
ひときわ濃く、川霧が条を描きながら巻いて来た。三人とも着た物がじっとりと湿っているし、髪毛には霧粒が美しく、微小な珠を綴っていた。
鳥沢の番所の役人たちは、まもなく騎馬で到着した。
「私が支配の小林重兵衛という者です」
四十あまりの、口髭のある男が、そう云いながら近寄って来て、三人の組頭をひきあわせた。上田三郎助、与石藤十郎、武田市之丞といい、上田の組の五人は槍、武田市之丞は鉄砲組の頭で、その五人の鉄砲にはもう火繩がかけてあった。
「鉄砲ですかね、――」
兵馬は低い声で呟いた。
「こうなるとわれわれは高みの見物ということになりそうですな」
万三郎は済まなそうに首をちぢめた。
ぜんたいの人数を二た手に分け、橋を渡ったところで前後から挾む、ということに相談が定った。
人数の配置が終ったころ、ようやくあたりが白みかかり、早立ちの旅客や、馬などが、往き来をし始めた。すると、見張りに立っていた太田嘉助が、橋を渡って来て、