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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
三人ともいやーな顔をした。
「――おまえは、――」
休之助がどなりかけ、他の二人は大いに期待するような顔をした。役人など呼んで来ては、せっかく存分に暴れようと思ったのがだめになってしまう。
「――どうかそんなつまらない策は採用しないように」
と祈るような表情であった。しかし万三郎の説は正しい、それを否定する理由はどこにもないので、休之助はやけくそな調子でどなった。
「――よし、おまえいって来い」
そして万三郎は馬で鳥沢へとばしたのであった。
五
「戻って来たようですな」
兵馬が東のほうを見ながら云った。そっちのほうに馬蹄の音が聞え、やがて万三郎が橋を渡って来た。
「もうすぐ来ます」
馬からおりた彼は、兄と兵馬にそう云いながら、道からちょっと入った雑木林の中へいって、馬を繋いだ。
「十七人ばかりですが、みんな馬でやって来ますから、もうすぐに着くでしょう」
「その馬は返さないのか」
休之助が訊いた。
「なんで必要になるかわかりませんからね、事が済んでから返すことにします」
「番所では信用したわけですね」
兵馬が訊いた。
「手形があるし大目付から急の通達があったようです」