轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
「よせよ、つまらねえ」
半次は息苦しそうに首を振った。
「護るも護られるもありゃあしねえ、お互いっこじゃねえか」
「あんたが側にいて護ってくれたから、あたしこうして生きて来られたし、悪い女にならずにも済んだのよ、もしかあんたがいなかったら、あたしきっと死んじまうか、ぐれて夜鷹にでもなっていたわ」
「ちい公はそんな女じゃねえ」
「いいえ、自分のことは自分がよくわかるわ、これからだって半ちゃんが側にいなくなれば、あたしどうなるかわからなくってよ」
「おめえ、おれを脅かすのか」
「証拠を見た筈よ、半ちゃん」
おちづは横になった躯で伸びあがって、半次の耳に口をよせながら云った。
「さっきあの二人に捉まったとき、あたしは身動きができなかった、頭では殺してやりたいと思っても、躯が痺れていうことをきかない、もしか半ちゃんが来てくれなかったら、あたしどうなったかわからないわ」
「そりゃちい公が今日どうかしていたんだ、今日だけどっか具合でも悪かったんだ」
「いいえ、そうじゃないの、あたしの躯がもうまえの躯じゃなくなったからなの、今夜はじめて、自分でそれがわかったのよ」
おちづはそう云って、告白の恥ずかしさを隠そうとするかのように、とつぜん、半次に頬ずりをした。