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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 页
二
「それはわかった、かれらが謀反の旗挙げをしたあとではだめだが、いまのうちならおまえたちは罪にならぬようにしてやろう」
と休之助が云った。
「そこで、こちらから誰か入込みたいのだが、それができるかどうか、おまえたちの考えを聞かせてくれ」
「昼のうちはむずかしいが、夜ならばやりようによって大丈夫だと思いあんす」
若者たちは昼夜とも交代で、貯蔵所の周囲へ見張りに立つ、小屋へ帰れば覆面をぬぐからだめですが、夜なら見られないようにすることができる。
「お侍たちは夜は寝てしまうだから、する事があればそのあいだに悠くりできるだ、なあ秀」
「私がやってみましょう」
と万三郎は兄を見た。
二
詳しく打合せを済ませてから、伝次と秀は帰っていった。
話を聞いていたつなは、二人が去るとすぐに、
「その役は斧田さまではいかがでしょうか」
と云った。
休之助も万三郎も彼女を見た。なんのためにそんなことを云いだしたのかわからなかったのである。万三郎はちょっと気にいらないという顔をした。
「どうしてです、なぜ私より斧田のほうがいいんですか」
「なぜといってべつにわけはございませんけれど」
そう云って、つなはぼっと赤くなりながら俯向いた。