轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

「そう言えば、叔父さんは何時見てもそう変りなさらない」と嫂が言った。

「そうでもありません」と岸本は自分の額へ手を宛てて、「髪がもうこんなに白くなっちまいましたよ」

「それに大分日に焼けて来たぞ」

と義雄が言った。

「私も先刻からそう思って見てるところなんですが」と愛子(根岸の姪)の夫も岸本の方を見て、「大分叔父さんは黒くなっていらしった。前にはお髭もおあんなすったようでしたね。どうしてあんな好いお髭を取っておしまいなすったか。何だかお顔がすこし変ったようにも見える」

「これでも、いくらか異人臭くなって帰って来ましたろうか」

こう岸本は言い紛わした。

仏蘭西の方で岸本が見聞して来た旅の話は、愛子の夫なぞの聞きたがることであった。大川端の方に住む田辺の弘――岸本が恩人の息子さんも、岸本の東京に着いたことを知って訪ねて来た。三年経って復た一緒に成って見ると、弘ももう立派なお父さんだ。この人の肥った体格は亡くなった恩人にますますよく似て来た。こうした旧馴染の客に加えて、旅の話を求めに来る新聞記者なぞもあって、ほとほと岸本は底疲れに疲れている自分の身を忘れた。

夕方には祖母さんの上げた燈明が仏壇のある部屋の方で光った。