轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

二十五

彼は我と我身を殺すことによって、犯した罪を謝し、後事を節子の両親にでも托そうかと考えるように成った。近い血族の結婚が法律の禁ずるところであるばかりで無く、もしもこうした自分の行いが猶かつそれに触れるようなものであるならば、彼は進んで処罰を受けたいとさえ考えた。何故というに、彼は世の多くの罪人が、無慈悲な社会の嘲笑の石に打たるるよりも、むしろ冷やかに厳粛な法律の鞭を甘受しようとする、その傷ましい心持に同感することが出来たからである。部屋には青い蓋の洋燈がしょんぼり点っていた。その油の尽きかけて来た燈火は夜の深いことを告げた。岸本は自分の寝床を壁に近く敷いて、その上に独りで坐って見た。一晩寝て起きて見たら、またどうかいう日が来るか、と不図思い直した。考え疲れて床の上に腕組みしていた岸本は倒れるように深い眠の底へ落ちて行った。

二十五

「父さん」

繁は岸本の枕頭へ来て、子供らしい声で父を呼起そうとした。岸本は何時間眠ったかをもよく知らなかった。子供が婆やと一緒に二階へ上って来た頃は、眼は覚めていたが、いくら寝ても寝ても寝足りないように疲れていた。彼は子供の呼声を聞いて、寝床を離れる気になった。