轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

四十八

四十八

「叔父さんの馬鹿やい」

と言いながら次郎は縁側に立って夕飯の時を待つ岸本の側へ寄った。この兄の二番目の子供は「馬鹿やい」を言うほど岸本に対しても遠慮が無くなって来た。どうかすると次郎は外来の食客を見るような眼で叔父を見た。次郎はまた父あり母ある自己の強さを示そうとするかのように、

「この野郎、打つぞ」

と岸本の方を見て肩を怒らした。嫂はそれを聞きつけたかして、

「次郎ちゃん、そうお前のように威張るんじゃないって言うに」

と子供を叱るように言った。そう言って叱るこの次郎が嫂にはまた可愛くて、可愛くて、眼の中へ入っても痛くないという風であった。

夕飯後に、岸本は自分の子供の側で時を送ろうとした。そこへ義雄兄も来て一緒に寛いだ。義雄は弟の留守中世話して見た子供の性質を言って聞かせるようにして、側へ来て立つ繁の方を岸本に指して見せながら、

「繁ちゃんか。この男はこれでなかなか滑稽家です」

そう伯父に言われた繁はすこし身を跼めて薄笑いした。次郎がそこへ飛んで来た。次郎は父や叔父の見物のあるのを何より悦ばしそうにして、いきなり繁に組付いた。畳の上では二人の子供の相撲が始まった。