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しんせい
新生
島崎 藤村
「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页
姉がその話のおしまいに、叔父さんとすっかり別れて自分独りでやるというものか、それとも今までのようにして自分の仕事をするというものか、それを聞かなければお父さんに返事が出来ないと言うんですよ。それから私が、何年逢わないでいてもそんなことは関わない、精神の上からは叔父さんに別れるなんてことは出来ないってそう言ったんですよ。それを姉がお父さんに話したんでしょう。そうしまして、私がお父さんの前へ御辞儀に行きましたら、何とも言わないで長い間黙っていらっしゃるものですから、姉が何か言うことは有りませんかッてお父さんに言いましたら、俺は呆れて物が言えない、人間だと思えばこそ話しもするがそんな禽獣には何も言うことは無い、彼等は禽獣に等しいものだ、蠅なんて奴は高貴な人の前でも戯れるようなものだ、そんなものと真人間と一緒にされて堪るものかなんて、それからも随分激しい調子でいろいろ仰ったんですよ。姉が、そんなに御自分のことばかり仰っても、節ちゃんの方のことも聞いてやらなくちゃ、私が聞いてもその通りには話せませんから節ちゃんに書いて貰うことにしましょう、それを私がお父さんに読んであげましょうッて言いましたのよ。