轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんせい

新生

島崎 藤村

「東京朝日新聞」1918(大正7)年5月1日~10月5日、1919(大正8)年8月5日~10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 页

青空文庫

男はそこへ行くと大ざッぱだが、女の人は細いから。節ちゃんも居にくいようなことが有りゃしないかと思って、俺は心配して遣るよ」

「それは節ちゃんも心配していましたよ」

「まあ書籍を上げるのは見合せよう。しばらく俺の方へ預かって置こう」

「でも、私はそう言伝かって来たんですもの」

「いや、節ちゃんにそう言っておくれ。しっかり台湾の伯母さんのお手伝いをしておくれッて」

こんな話をしているうちに、長いこと掛って自分の養い育てたものを根こそぎ持って行かれてしまうような悲哀が強い力で岸本の心を圧して来た。

「ああああ――こんなに親戚があっても、俺の心を汲んでくれるような人は居ないのか」

と言いながら岸本は起って行って茶道具を持って来た。

「しかし、無理もないねえ。俺が何をして来たのか、どういう心持で居るのか、親戚は知らないんだからねえ――」と復た岸本は言って、熱い茶を輝子に振舞いながら言葉を継いだ。「仮令俺が何を書こうと、捨吉がこんな寝言を書いたかぐらいに思われれば、それまでだねえ。そうさなあ、俺の心を汲んで貰えそうな人は、お前の旦那さんと田辺の弘さんとだ。お前に俺の心持は解らなくても、お前の旦那さんは解ってくれるだろうと思うよ――」