Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして町の裏の、小さな明神社のうしろで包をあけ、継ぎはぎだらけの野良着を着、草鞋をはき、筍笠をかぶった。脱いだ物を包んで腰に結いつけ、鎌を持つと、そのまま野良ばたらきに出た百姓娘の姿になった。

つなは古木邸の東側へまわり、そこにある薪山の中に身をひそめて、屋敷のようすを監視した。

薪山といっても二三段ばかりの小さなもので、少しばかりの松と枯れた雑木林しかなく、周囲はずっと畑続きだから、見張りにも都合はいいが、人に発見されるおそれも多分にあった。

つなは雑木林の中の、茨と灌木の茂みに躯を隠して、日の昏れるまで動かずにいた。

あたりがしだいに暗くなり、畑にいた農夫たちも帰ってしまった。空いちめんに、星が美しく光り始めると、にわかに気温が下って、足のほうから痺れるように寒くなってきた。そして、枯木林の枝で鳴いていた小鳥の声も、すっかり聞えなくなったじぶん、古木邸の裏門のあたりから、かすかに人や馬の動くけはいが伝わって来た。

つなは緊張した。

――やっぱり想像が当った。

暗いのでもう隠れている必要もない、林から出て、薪山の端の笹藪のところまでおりた。

裏門から出ると道は二筋に岐れている。