Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
四
「じたばたするな、騒ぐと斬るぞ」
万三郎はにっと微笑した。
でかい権兵衛が、つい今しがた、火繩をかけろ、と云っていた。もし小さい権兵衛が、云われるとおりにしていたら、誰かが射たれたことだろう。
――うまくいった。
まるで諜し合せたようであった。二人の権兵衛を(疲れさせるために)からかっていたことも、休之助たちが救助に来た時刻も、お誂えどおりになった。が、――万三郎はふと、権兵衛の一人がいま「鳴子を引け」と叫んだことを思いだした。
――救援を求める合図だ。
万三郎はまた仕切戸に躯をぶっつけながら叫んだ。
「外に注意して下さい、休さん、助勢の者がやって来ますよ」
だが、そのとき早くも鍵を廻す音がし、戸がさっと開かれた。
休之助と斧田がいた。
「やあ、済みません」
万三郎が云いかけると、休之助は眼もくれずに、二人の権兵衛をせきたてて、万三郎のあとへかれらを押し込めた。
「あ、ちょっと待って下さい」
万三郎は追っていって、
「私のを取られたから代りを貰っておきますよ、どうせ鰯みたいな代物でしょうがね」
そしてでかい権兵衛の刀を取って腰に差し、相手の肩をやさしく叩いた。