Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
四
半次はこう云いながら、おちづをいたわるように抱いて、そっと藁束の上へ坐らせた。
「あたい口惜しい」
「わかってるよ、でも忘れなよ、あんなけだもののことなんぞ忘れるんだ、こんど会ったらもっとひどいめにあわせてやるから」
「口惜しいのはあいつらばかりじゃないの」
「ほかにも誰かいたのか」
「そうじゃない」
おちづは首を振ると、泣きながら半次の膝へ俯伏した。
「自分が口惜しいの、自分で自分が口惜しくってしようがないのよ」
「云ってみな、どうして自分が口惜しいんだ」
「いつもなら、あんなやつら」
とおちづは泣きながら云った。
「あんなやつの二人や三人に、捉まるようなあたしじゃないわ、誰だって捉まえようとでもすれば、がりがりにひっちゃぶいてやったわ、そうだわね半ちゃん」
「そのとおりさ、この界隈でそれを知らねえ者はいやあしねえよ」
「それだのに今夜は」
おちづは身を揉んだ。
「今夜のあたしはだめだったの、三島のやつに胸のところを抱かれたら、躯じゅうが痺れたようになって、どうにも手向いすることができなかったの、手も足も力がぬけちまって、自分の躯が自分のものじゃないみたいになっちゃったのよ」