Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

三

堪忍が切れたと叫びざま、身を躍らせてとびかかったのである。が、万三郎が脇へ躱すと、休之助はつぶてのように、弟の横を走りぬけて、向うの松林の中へとび込んでいった。

万三郎はあっけにとられた。

――気でも狂ったのかな。

と思った。が、次の刹那に、松林の中で休之助の叫びが聞えた。

「三郎来い、曲者だ」

あっといって、万三郎もそっちへ駆けつけた。

すでに暗くなった林の中で、休之助が一人の男を捻じ伏せていた。男は忍びの黒装束で、黒い覆面をし、右手に脇差を抜いて持っていた。

「大丈夫ですか」

「大丈夫だ、繩を持って来い」

万三郎は繩を取りに戻った。

「どうなさいましたの」

つなが土間にいて、心配そうに訊いた。万三郎は苦笑しながら云った。

「すっかりやられましたよ、休さんに、口も悪いが手も早いです、みごとに負けましたよ」

三

「こいつですよ」

万三郎が云った。

忍び姿の曲者を縛りあげて、小屋の土間へ曳いて来ると、その繩尻を柱へ繋ぎながら彼は兄のほうへ振向いた。

「なにがこいつだ」

「こいつを捜していたんです」

万三郎は曲者を指さした。

「知っていたのか、こいつのいるのを」

「そうなんです、一昨日、つなさんと話をしたあとのことですが、私たちの通った谷の中腹に、妙な人間がいるのをみつけたんです、林の上のほうでよくわかりませんでしたが、どうやら